欧米ブランドに「負けていないぞ!」

2024年9月25日 の記事

カテゴリー: 村木るいさんの「人に話したくなる革の話」

月1回のスペシャルコンテンツ、村木るいさんの「人に話したくなる革の話」。
今回は、ランドセルの「自由研究」と「職人さん」と「ジャパンレザーアワード」の話。
日本皮革産業連合会(JLIA)の事業「キッズレザープログラム」で小学校2年生の児童から届いた「ランドセルの自由研究」の報告、名古屋のランドセルメーカー 村瀬鞄行の見学、ジャパンレザーアワード2024 応募作品展の併催イベント「ランドセルの軌跡展」などについてです。ぜひ、ご覧ください。

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通常、皮革産業のさまざまなトピック、イベントのレポートなどをお届けしていますが、人気イベント「本日は革日和♪」を主宰する村木るいさんが月1回スペシャルコンテンツをお届けしています。イベント、セミナーなど精力的に活動する村木さん。皮革に関する確かな見識を有し、幅広い情報発信に支持が寄せられています。

当ブログでは、レザーに関心をもちはじめた若い世代のかたや女性ユーザーにお伝えすべく、わかりやすい解説とともに西日本の皮革産業の現状をご紹介しています。独自の視点・レポートが大好評です。

今後のスケジュールなどは下のリンク先をチェックしてください。


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毎度です。「今回の話はランドセルばかり」なムラキです。

先日9月23日(月)に雨が降り、その後は見事に温度が34度から29度まで一気に下がりました。暑さ寒さも彼岸まで、とはよく言ったものです。

・キッズレザープログラムで小学校2年生から「ランドセルの自由研究」報告が来た
・名古屋の村瀬鞄行、というランドセル会社へ見学に
・ジャパンレザーアワード2024 応募作品展 併催イベント「ランドセルの軌跡展」開催

オチは、「ジャパンレザーアワードの展示イベントで全応募作品や面白い人に会えるよ」という内容です。

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キッズレザープログラムに寄せられたランドセルの相談

日本皮革産業連合会(JLIA)の事業「キッズレザープログラム」に、小学生のご家族から「幼稚園の妹のために夏休み自由研究でランドセルを調べたい」との連絡があり、ランドセルメーカーやタンナー、芝浦を見学し、「豚と牛の鞣しの違いは?」とのご質問をいただきました。

豚と牛の革の特徴の違いから、鞣しや鞣すための設備に何が違うのか?を動画で解説し、テキストでも解説しました。

その自由研究が無事完成し、ご許可をいただきましたので、掲載させていただきます。
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最近の小学校2年生は頭いいなぁ、と驚愕しきり。
ランドセルに関する本やネットの文章を単に羅列した、という内容ではなく、身近な自分の家庭内の鞄の大きさや重さを調べ、学校でアンケートをとり、ランドセルメーカーやタンナーを見学し、レザークラフトワークショップを受講し、それを写真やイラストでレポートしてはるなぁ。
巻末には引用文献リストも存在し、最後には謝辞で締めくられている。これはお子さんもすごいが、ご家族もものすごいなぁ

ジャパンレザーアワード2024 応募作品展 併催「本日は革日和♪」スペースでも展示させていただくことになりました。ぜひ、ご覧ください!

名古屋のランドセルメーカー村瀬鞄行さんへ

名古屋のレザークラフトぱれっとさんが新社屋建立。お祝いでセミナーに

ぱれっとさんが、「教室スペース拡充のために3階建てのビル建てたのよ」とのこと。今の御時世に3階建て!? いろいろな意味ですごいな。記念でセミナーをさせていただきました。
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村瀬鞄行さん見学

一泊して、翌日は株式会社村瀬鞄行に。村瀬鞄行さんはもう結構長い間、ジャパンレザーアワードに毎年作品応募されていて、応募されている職人さんとはちょっとだけ顔をあわせたこともあります。さらに、現在の村瀬鞄行さんの社長さんはランドセル工業会の会長さんです。
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職人兼 工程管理・生産管理・工場長・広報・SNS運用・・・

案内してくれた職人さんは30代。職人として働いているが、最近は、工程管理と生産管理を司る工場長に就任。ジャパンレザーアワード歴代の部門賞受賞者であり、鞄技術認定試験1級を取得しておられます。

・工程管理
ランドセルは200のパーツの集合体で多人数で作られる。そのため、一つの工程が止まると、のちの工程に響くため、作業がきっちりできているか、などの管理が大事。

・生産管理
例えば、100個のランドセルを作るには200のパーツが必要となるが、金具や革素材、芯材や裏地、などの革以外のパーツなどがきちんと揃っているか。揃っていない場合はいつまでに揃うか、などの管理をする。

・工場長
工程管理と生産管理をするだけでなく、職人さんを管理するのも仕事。工場長や生産管理の人間がいなくなると生産が止まるので、レア職種。

最近では、広報も兼務。SNSの運用にもかかわり、ご自身のキャラクターを生かした投稿、100日後に完成するランドセル、という100個の投稿シリーズが人気を集めるなど、マルチにご活躍。
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ランドセルは革業界でもパーツ数が多い革製品

村木個人が見ていて思うランドセル業界の特殊性は、「パーツ数が多い」「子どもの安全を守るために頑丈に作られている」「作業が多いため多数の職人の手で作られる」ということです。悪い意味ではないのですが、「非常に工業的」です。靴もそうですが、安全性が高く求められる業界は安全基準をしっかりし、工場的な場所で細かく確認しつつ作ることが求められます。
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ショールームで村瀬鞄行の特徴を聞いたり大人向け製品を見たり

村瀬鞄行さんの本社にはショールームもあり、その隣に工場もあります。

ショールームは5月の連休シーズンなどは予約必須じゃないと見に来られません。ランドセルは実際にお子さんが背負ってみないと、良し悪しがわからないからです(現在のオフシーズン期などは予約不要)。


村瀬鞄行さんのランドセルの特徴はカスタマイズ性が高いこと。後付の飾り的なオプションもあります。さらに、ベンチレーションを意識しており、背中の蒸れが起きづらくしてあります。クッションを増やすことで耐荷重を軽く感じるように意識しています。
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ジャパンレザーアワード出品作も。

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ランドセル技術を使った大人向けのランドセルです。そこから発展して現在販売しています。ランドセルはどうしても"かぶせパーツ"がありますが、大人の男性が使うにはちょっと不便です。このように小さなスペースでも上から取り出せるようにギミックを考えたものですね。他にも女性向けのバッグも展開中です。

この夏にはランドセル自由研究イベントも開催

新社屋として建立して2年目です。お子さん向けのランドセル自由研究、というイベントを今年はじめて開催しました。
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このイベントではこのような小冊子を渡してランドセルの歴史や、革、工程、工場を紹介。最後には、小さなランドセルを作るワークショップも行ったそうです。
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1,5時間くらいで1日5回開催。2日間開催で合計10回開催。ご好評いただいたので今後も開催予定。夏休みの自由研究シーズン以外にも構想中だそうです。

ジャパンレザーアワード2024 応募作品展 併催イベント「ランドセルの軌跡展」と実演

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ジャパンレザーアワード2024応募作品展の併催イベントとして、ランドセル工業会による「ランドセルの軌跡展」というイベントが行われます。歴史や製造工程などを紹介。同アワード2022年度特選 入選作品 浮世絵ランドセル「富嶽」の手縫い実演(初日のみ)も行われます。
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SNSに毎日投稿し話題の100日後に完成するランドセル プロジェクト(毎日制作過程を動画で公開)の99日目にあたる9月28日(土)、ランドセルの背中部分の縫製実演をライブ配信するそうです。


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村瀬鞄行のランドセルは、このマチの部分が手縫い。機械でガッチャンと穴をあけてひとつひとつ手縫いしていきます。ショールームではガラス越しに手縫い工程を見ることができるそうで、今回はその手縫い工程を渋谷の会場でやろう、ということに。他にも、会場では下の写真のようなパーツ一覧が展示されます。
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また、名古屋本店ショールームに展示されている、戦前や戦中のランドセルも名古屋から渋谷に移送して展示されます。
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同じくジャパンレザーアワード2024応募作品展で「本日は革日和♪」を併催

ジャパンレザーアワード応募作品展は、初日には審査会が行われているため、審査会終了後の夕方から一般公開予定。会場が整い次第、一般公開となり、16:30~18:00が予定されています。9月29日(日)は10:00~16:00の間、自由にご覧いただけます。

なお、審査日である初日は審査の厳正さを確保するため、審査終了まで作品展示スペースへの審査関係者以外の立ち入りはできませんが、審査の進行状況は、展示スペースの外側から観覧可能です。

イベント全体としては11:00からオープンし、その他のフロアでは審査中もイベントが行われておりますので、存分にお楽しみください。来場者へのノベルティプレゼントも毎回好評ですよ。

審査会および応募作品展の会場とは別のフロアでは、「ランドセルの軌跡展」や「本日は革日和♪」が併催されます。

5階フロア
「見つけよう!革の魅力発見展」(1~4)
1. 日本革類卸売事業協同組合 加盟革問屋による革の目利きが選んだ日本の革の展示
2. 全日本革靴工業協同組合連合会の最新システムMysizenetの足パーソナル診断
3. 日本ゼラチン・コラーゲン工業組合による、食肉の副産物としてのゼラチン、コラーゲン、にかわなどについての展示
4. 「本日は革日和♪」革製品製作の機械や工具などの展示
レザークラフトフェニックス(彩り靴ワークショップなど)<大阪>
Lized<千葉>★皮革用塗料専門メーカー
Ocean Leather<高知>★廃棄された魚の皮をアップサイクル
抜型工房 かわさき<香川>
ZIT TOOLS(ミシン、漉き機実機体験)<東京>
 
6階フロア
「ランドセルの軌跡展」
一般社団法人日本鞄協会 日本ランドセル工業会会員メーカー30社が出品予定
「自慢の逸品展」<東京・愛知・大阪>
手縫い実演:村瀬鞄行<愛知>、土屋鞄製造所<東京>
クラレ「ランドセルは海を越えて」パネル展示<東京・岡山>
 歴史的ランドセル(レプリカ)展示、こども向けワークショップなど



9月28日(土)・29日(日) 本日は革日和♪inジャパンレザーアワード 渋谷 | 本日は革日和♪ (ccrui.sakura.ne.jp)

・予約不要でワークショップや革素材展示販売
・予約制でセミナー
・伊藤登商店による革漉き工場全焼のクラファンその後や漉き屋話
・革YouTuber新進工房に聞く新進工房の過去現在未来
・革でお金儲けしている人+αの飲み会

今回は、当ブログで紹介した高知のオーシャンレザーさんも参加予定です。



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プロフィール

鈴木清之

鈴木清之(SUZUKI, Kiyoyuki)
オンラインライター

東京・下町エリアに生まれ、靴・バッグのファクトリーに囲まれて育つ。文化服装学院ファッション情報科卒業。文化出版局で編集スタッフとして活動後、PR業務開始。日本国内のファクトリーブランドを中心にコミュニケーションを担当。現在、雑誌『装苑』のファッションポータルサイトにおいて、ファッション・インテリア・雑貨などライフスタイル全般をテーマとしたブログを毎日更新中。このほか、発起人となり立ち上げた「デコクロ(デコレーション ユニクロ)部」は、SNSのコミュニティが1,000名を突破。また、書籍『東京おつかいもの手帖』、『フィガロジャポン』“おもたせ”企画への参加など、“おつかいもの愛好家”・”パーソナルギフトプランナー”としても活動中。

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